TCRという概念を持って温度管理

たま~にTechMODで見掛ける『TCRモード』、正直今まで私自身は出会った事が無かったのでスルーしてましたが、気が向いたのでTCRモードに関して調べた事を残しておきます。

そもそも温度管理の仕組みとは?


TechMODで行われている温度管理は、厳密に言うと温度を検知しているのではなく『抵抗値』を検知して出力の制御を行っています。
地球上に存在するほとんどの物質は『温度が上がると抵抗値が高くなる』という性質があります。
その性質を利用し、『抵抗値の変化=温度の変化』とした仕組みが、TechMODの温度管理です。
(一部例外な物質もありますが、現在販売されているコイル用のワイヤーは全て上記性質に当てはまります。)

TCRとは?


TCRとは “ Temperature Coefficient of Resistance(抵抗温度係数) ”の略称です。

抵抗温度係数とは、温度が1℃上がった時に抵抗値が何%上がるかを表した数値です。
この値が高いほど温度の変化で発生する抵抗値の変化が大きい…ということです。

そして、このTCR値の数値が高ければ、『変化が大きい=変化の度合いを検知しやすい』状態になるので、MODの制御基盤が行う出力制御の精度が高くなります。
逆にTCR値の数値が少なければ『変化が小さい=変化の度合いを検知し難い』状態となるので、MODの制御基盤が行う出力制御の精度が低くなります。


TCモードとTCRモードの違い


大まかに表すと
  • TCモード:予めTCR値が固定でセットされていて、その数値に基づき出力を制御
  • TCRモード:TCR値を使用者が入力し、入力された数値に基づき出力を制御
という違いです。

TCRモードは、TCモードではイマイチだと感じた素材のコイルでも微調整でカバーできる可能性が高まる…その分、手間が掛かる…というイメージを持ってれば良いかと。


具体的なTCR値


コイル用ワイヤーの材質で主に使用されている物を記します。
他の材質のTCR値が知りたい場合は、算出根拠としている参照元のコチラでご確認ください。
 (参照先 画面左部 “ TCR in vaping range ”欄に表示される数値×10-6


 
種類
 
Nickel Ni200(ニッケル)0.006
 
Nifethal 52(ニクロム)0.004036
 
Titanium 1(チタン)0.00366
 
SS 316(ステンレススチール)0.00088
 
Khantal A1(カンタル)0.000002

※TCRモードとしてMODに数値を入力する際は、上記値に×100,000した値で入力するのが多いかと思いますが、 ×100,000は統一された仕様とは思えないので、該当するMODのマニュアルを確認して間違いの無い様にしてください。


TCR値が高い順に並べました。
こうやって見てみると、
  • TCモードでカンタルの選択肢が無いのは何故か
  • ステンレススチールの温度管理がイマイチに感じるのは何故か
が分ります。
共にTCR値が低いからです。
カンタルに至っては値が低すぎて検知すらできないからです。

もしかしたら、物凄く高性能な制御基盤であればカンタルでもTCモードで温度管理ができるのかも知れませんが、そんな制御基盤が存在するのか…仮に存在したとしても、搭載したら販売価格はいくらになるのか。
そして『カンタルがTCモードで温度管理できる』という理由だけで値段が跳ね上がったMODを誰が買うのか(従前通り『カンタルはVWかVVかBypass、もしくはMechMODで』と割り切る人の方が多いでしょうし)。
それを考えると、『カンタルで温度管理』という幻想は抱かない方が良さそうです。

Curveモード搭載の機器であれば、カンタルでも擬似的にTCモードの様な動きをさせられるでしょうけど…ちゃんと『どのタイミングで何℃(F)にすれば良いのか』をしっかり調べられ設定までできる人でなければ、まぁ諦めた方が良いでしょう。
どこかの物好きが『カンタルで最適なCurveモード設定』を検証して公開してくれれば気軽に楽しめるかとは思いますが…私はやりませんけど。


今後TCRモード搭載のMODを入手した際は、上記を参考にして色々弄ってみましょう!

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